気候変動に立ち向かう ・ ・ ・

      気 候 変 動 に 立 ち 向 か う  ・ ・ ・

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                                    地球温暖化の狭間で揺れる地球環境の行方
・・・ 地球環境に関して今、世界の各国が懸命に解決に取り組んで行かなければならない大きな課題がある。世界的に、かつてない規模の猛暑や洪水、超大型台風、干ばつ、森林火災など自然災害の厳しい現実を経験した2018年であったが、こうした気候変動の異常気象による身のまわりの出来事は常に起こり得る現象といえよう。そして、この地球環境の変動は人命にも関わりかねないという認識を全ての人が常に持って対処すべきことであり、その大きな課題が地球温暖化対策である ・・・

画像 地球の平均気温が1.5℃上昇(産業革命前に比べ)すると地球の温暖化が進むことで、小さな島国などでは海面上昇による影響(海岸浸食)を受け易い状況になり、その地球の温暖化対策として国際ルール(パリ協定)の中で平均気温の上昇を2.0℃未満(可能な限り1.5℃未満)に抑える目標が掲げられている。現状の地球環境を維持・持続させていくためにも、平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えることが地球温暖化対策へのキーポイントとされている。
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                    国連気候変動枠組み条約締約国会議COP24) ・ ポーランド 〉        
 しかし、世界の平均気温はすでに産業革命前より約1℃上昇している(IPCCの報告書)と言われており、平均気温の上昇幅を1.5~2.0℃未満に抑えて地球環境を安定化させるためには温暖化を促進させる主要因となっている温室効果ガス(主に二酸化炭素)の世界全体の年間排出量を約45%削減(2010年比)し、2050年頃には“実質ゼロ”にする必要があるとIPCCは指摘している。これに関しては、各国の2030年までの温室効果ガス排出削減目標がパリ協定の国際的枠組みで定められてはいるものの、冒頭でも触れたように今年の夏(2018)は世界の各地で猛暑や干ばつ、豪雨などに見舞われたのは周知のことだが、もうすでに地球温暖化の影響は見え始めているとしてIPCCは社会のあらゆる分野において対策・対処を急ぐ必要を訴えている。産業革命以降の平均気温の上昇を2.0℃未満、できれば1.5℃未満に抑えることを「パリ協定」は目指しているが、IPCCはこのほど1.5℃と2.0℃の上昇幅の場合におけるその差0.5℃の違いが地球環境へ及ぼす影響に“大差”のあることを浮かび上がらせている。平均気温の上昇が1.5℃であっても、干ばつや熱波、洪水などの被害が増え、海面上昇や動植物の生息域の減少などに影響がでる。2.0℃ともなると、それらが一層深刻度を増し、さらに水や食料の不足、人間の健康問題にまで及び、社会生活・経済活動への深刻な打撃は回避困難になる。すでに、世界の平均気温は約1℃も上がっており、早ければ2030年にも1.5℃に達するとIPCCは見ている。ちなみにIPCCという組織(国連気候変動に関する政府間パネル:Intergovernmental Panel on Climate Change)は、地球温暖化を科学的に評価するため世界気象機関と国連環境計画が1988年に設立、195ヵ国が加盟して世界の数千人に及ぶ専門家が科学的知見に基づいて地球温暖化を分析・評価している組織である。
 そして今、差し迫っている地球環境に変動を引き起こす平均気温の上昇を1.5℃未満に抑える目標に向け、気候変動に立ち向かう新たな世界規模の働きかけが始まろうとしている。その動向のキーを握ってるのが、ポーランドのカトウィツェで2018年12月2日に始まった世界の200近い国々と地域の代表が参加して地球温暖化問題を協議する国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24・2018.12.2~14)である。2016年11月4日に発効した地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」を実際に運用するために、全ての国が温室効果ガス削減の新たな枠組み示して対策に取り組むルールを話し合う国際会議で、国別の温室効果ガス削減目標にどのような内容を盛り込むのか、はたまた排出量の算定や目標達成のチェックを如何に行うのかといった検討すべき項目は多岐にわたっており、2020年以降の「パリ協定」始動へ道筋をつけることができるか否かの重要な局面が託された「COP24」ではある。

画像 「COP24」 においては、新たに各国の温室効果ガス排出削減目標が採択され、確実に実施への軌道に移されることが強く望まれている。そして、各国に対する新しい枠組みは、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の目標達成に向け共通の枠組みを与えることになる。すなわち「COP24」は、これまで各国が示してきた温室効果ガス(主にCO2)排出削減目標(「京都議定書」)では「パリ協定」の目標達成(平均気温の上昇を1.5℃未満に抑える)が困難であると予測されていることから、気候変動との闘いにはまだまだ乗り越えなければならない諸課題が控えている現状にあることから行われる。
 ちなみに「パリ協定」とは、2020年で失効する「京都議定書」以降の新たな気候変動問題に関する国際的枠組みである。2015年11月30日~同年12月12日にかけフランス・パリ郊外の特設会場で開かれた温室効果ガス削減に関する国際的取り決めを話し合う国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)において合意・採択され、2016年11月4日に発効した地球温暖化対策に対する多国間の国際ルールである。
 近年、気候変動に立ち向かう先頭に立っていると言われているEU (欧州連合)では、温室効果ガスの排出量を2030年までに40%以上(1990年比)減らすという達成目標を立てており、そのためのEUとしての法的枠組みが間もなく完了するという。
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                        日EUEPASPAの署名式東京 2018.7.17 〉 
 今、目の前で起こっている地球環境へのダメージを生む気候変動との闘いに立ち向かうには、国家間だけでなく地方レベルや都市の地域間協力など、あらゆる階層・分野で取り組まなければならない。特に、合わせて世界のおよそ8割近い温室効果ガスを排出している主要経済国にあっては、進んで気候変動に立ち向かう行動を起こさなければならない。そうした中でEUと日本は、2018年7月17日に「日・EU経済連携協定」(EPA)と「戦略的パートナーシップ協定」(SPA)という二つの協定を結び、その協定を通じ相互に力を合わせて気候変動に立ち向かう決意を表明した。そしてさらに、この二つの協定を通じ脱炭素化社会を考慮した国家の成長および低炭素経済への移行に関する相互の経験・教訓も共有するとしている。すなわち、地球温暖化対策に対する日欧間において共闘が図られることになったのである。

画像 先にも触れたように、2018年夏前後の数ヵ月に私たち地球人が遭遇(経験)した自然災害の頻発は、気候変動との闘いに今こそ私たちは行動を起こさなければならないことを明確に示すとともに、人命がその気候変動との闘いに託されていることを銘記すべきだ。地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」においては、今後の地球平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えることを目指してはいるが、現実には今も平均気温は上昇を続けている状況にあってこのままでは異常気象や自然災害の多発を招いて世界が危機に晒される…と国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「特別報告書」(世界の平均気温が産業革命前に比べ1.5℃上昇した場合の影響などをIPCCがまとめて公表した今後の温暖化を議論する上で共通認識となる報告書)の中で警告している。そんな地球温暖化に関連した最近の新聞記事を、2018年11月27日の朝日新聞(朝刊)に掲載された「天声人語」欄から紹介する。
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         米国カリフォルニア州では経験したことのない大規模な山火事による大惨事に見舞われる 2018.11~12
・・・ 『作家の宇野千代の随筆に、山火事を起こしかけた話がある。山小屋で執筆をしていたとき、書き損じた原稿などを外で焼いた。火が枯れ草に燃え移り、あっという間に広がった。バケツの水をかけるが、追いつかない▼村の人たちが、手に手に竹ぼうきを持って駆け上がってきてくれた。たたいて火を消してくれたのだ。恐縮する宇野に村人は言った。「お気におしんされな。ちょくちょく山火事はあるが、わしらァ、消し馴れておるけえのう」▼ところ変わって、毎年のように山火事に見舞われている米国カリフォルニア州である。しかし今月の火事は、この州にしても経験したことのない被害であった。80人以上の命を奪い、1万9千棟の建物をのみこんだ山火事が25日、ようやく鎮圧された▼発生から2週間余り、そのあいだに報じられた映像は山火事のイメージから遠かった。火がまちなかにまで及んでいるのだ。歌手のレディー・ガガさんも自宅から避難し、SNSに煙があがる画像を投稿していた▼ここでもまた、地球温暖化の影響が指摘されているのだという。空気が乾燥して、草木に火が燃え広がりやすくなっているのか。温暖化に関連した山火事やハリケーンにより、2015年以降で4千億㌦(約45兆円)近くの被害が出ている。そんな分析も米国にはある▼相手が地球温暖化だとすれば、竹ぼうきはおろか、最新の消防設備でも太刀打ちできまい。世界がなかなか鎮圧できずにいる難題が、またも顔をのぞかせた。』 ・・・
画像  この米国カリフォルニア州の山火事は、パラダイス周辺と南部のシミバレーおよびカマリロ周辺の計3ヵ所で2018年11月8日に発生、乾燥した状態が続く中で強風により大規模な山火事となった。過去最悪の被害をもたらした山火事(東京23区の面積に匹敵する620平方㌔が焼失、犠牲者91人)となった顛末の一部始終は、発生から鎮火に至るまでの2週間余りの間にわたって毎日の如く報道され続けた。それ程に“乾燥”という異常気象に地球温暖化の影響が影を落とし、この山火事に顔を覗かせていたのだ。

画像 「パリ協定」が2015年に採択されてから3年。今、気候変動に立ち向かう世界の動静は、脱炭素社会への転換・移行に向けその力強さを増している。しかし、IPCCが公表した“特別報告書”によれば、例え各国がすでに掲げる温室効果ガス排出削減目標(枠組み)の全てを達成させたにしても、今の地球環境は平均気温2℃を超えるレベルに迫りつつあるとしている。例え「パリ協定」の目標達成(平均気温の上昇2℃未満)が可能視されたにしても当然の如く「COP24」においても、IPCC特別報告書の内容(温暖化議論の共通認識)を受けて温室効果ガス排出削減目標のさらなる引き上げなどの温暖化対策は重ねて議論されることになる。
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             〈 「COP21」(2015.11.30~同年12.12で合意・採択されたパリ協定」 ・ フランス・パリ特設会場
 ここで懸念されているのが、国別の削減目標(CO2)に対する先進国と途上国の間における基本姿勢の相違である。すなわち、それぞれの国情が削減の量的交渉に大なり小なりの制約(影響)を与えていることだ。先進国では、温暖化対策は各国共通の問題であるとして全ての国が同じルール(枠組み)の下で排出削減に努めるべきだと主張する一方で、途上国は現在の地球温暖化は先進国の過去の温室効果ガス排出による平均気温の上昇が主因であり、対策の枠組みルールが先進国と同じであるのは意にそぐわないとの立場である。要するに、総じて削減目標の割当を巡っては地球温暖化の歴史的責任が先進国にあるとする風潮が残ることだ。ただ、中国やインドなどの温室効果ガス排出量が世界の3分の1を超えている現状にあっては、途上国に対する排出量の枠組みを優遇(緩和)し過ぎると「パリ協定」の実効性(平均気温の抑制効果)が損なわれかねず、同協定の始動局面(COP24)に影響が 及ぶことになる。この国別削減目標において世界の各国はお互いに歩み寄り、気候変動対策に向け世界全体の温室効果ガス排出削減につながる方策と英知を絞りたい。そして、気候変動の抑止に向け温室効果ガス削減へ国際的な機運のさらなる高まりを期待したい。
 世界第2位の温室効果ガスの排出国である米国、そのトランプ政権は先ごろ「パリ協定」からの離脱表明を行ったが、「COP24」における各国の温室効果ガスの排出削減交渉が紆余曲折を辿れば温暖化対策への機運が萎みかねない。2015年に「パリ協定」が採択されて以後、脱炭素社会に向けた世界の動きは一段と力強さを加速させており、その流れを滞らせてはなるまい。そして今、気候変動との闘いに立ち向かう「COP24」をはじめ今後に続く地球温暖化対策の会議を通し、地球環境の保全に向け国際社会の決意が問われようとしている。    (終)

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