温暖化は待ってくれない・・・

     ・ ・ ・ 温 暖 化は 待 っ て く れ な い ・ ・ ・

画像
                          今も、これまで以上の規模で減少を続けている北極の海氷
・・・ 酷暑で知られる埼玉県熊谷市で過去最高の41.1℃を記録し、この夏(2018)の日本列島はあちこちで最高気温の更新を見るなど猛烈な暑さに見舞われた。その上、7月の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)や9月の台風21号(平成30年台風21号)などにより甚大な被害も続き、海外からも大雨や熱波(森林火災や干ばつ)などによる被災の報告が相次ぐ。まさに、今や地球環境は厳しい気候変動(地球温暖化とその影響を総括的に呼ぶ)の現実に直面しており、これまでになく地球温暖化の影響を危惧する世間の声は大きくなっている ・・・

画像 2018年9月12~14日、世界の国・州・市などの自治体やビジネス界、投資家、市民社会などの代表が集結(約4500人)して国際会議「グローバル気候行動サミット」(GCAS)が米国カリフォルニア州のサンフランシスコで開催された。地球温暖化対策の協議の場として、これまでの国による政府間協議に替わって“非国家”主体の国際サミットが開かれたのは今回が初めてのケースである。同サミットを主催したカリフォルニア州知事のジュリー・ブラウン氏は、『温暖化は待ってくれない。さあ行動しよう』と呼び掛け、温暖化対策の主役が「国家」から「非国家」に移りつつあることを強く感じさせた。
画像
                   〈 「GCASで講演する環境科学者のロックストローム氏2018.9.13
 同時に、日本と米国が温暖化対策を協力して強化して行くことを確認するなど、日米の自治体や企業の連合体による新たな相互連携の動きも生まれている。このサミットで基調講演を行ったスウェーデンの環境科学者ロックストローム氏は、正しい政策とリーダーシップさえあれば2030年に世界の温室効果ガス排出量を半減し、気温の上昇をパリ協定(2020年以降の地球温暖化対策(2015.12採択・2016.11.4発効))が気候変動抑制に関し実施指針としている1.5~2.0度に抑制することは可能であるとして奮起を促した。また、同サミットに参画したアメリカの俳優であるハリソン・フォード氏は講演で、科学を信じない人間や自らの利益のために信じないふりをする人間に権力を与えるのをやめようと環境保護に後ろ向きなトランプ政権(パリ協定からの離脱を表明中)を念頭に演説し、会場を盛り上げた。さらに、太陽光発電や電気自動車の普及とともに、南米アマゾンの森林保護などに力を入れるよう強調し、自然を強力に保護していかなければ我々自身を守って行くことはできない、と訴えた。
画像
              地球温暖化対策の重要性を訴える米国俳優のハリソン・フォード氏 サンフランシスコ 2018.9.13
画像 この夏(2018)、日本の上空には二つの高気圧(太平洋・チベット)の張り出しが強く、6~8月の東日本の平均気温が1946(昭21)年の統計開始以来最も高くなるなど、最高気温を更新する地点が全国で続出した。また、台風の発生も多く、西日本豪雨後にも次々と台風が来襲して多大な被害をもたらしている。気象庁の異常気象分析検討会(臨時)においては、西日本豪雨とその後の記録的な高温気象についてその背景には地球温暖化に伴う気温の上昇と水蒸気量の増加があった、との見解を示した。
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による最新の分析・評価によれば、気温の極端な高温日が増えていく可能性は非常に高くなっており、極端な降雨(降水)も中緯度帯の陸地などでより強くなる可能性が非常に高いとしている。そうした中で、世界の気温は産業革命(18世紀半~19世紀)以前に比べ約1度上昇しており、水蒸気量もまた増えているという。国立環境研究所地球環境研究センターでは、温暖化によって猛暑の気温が1度程度、豪雨によって水蒸気量が少なくとも7%程度嵩上げされた状態だと現在の気象環境を説明する。温暖化を抑制しない限り、猛暑も豪雨もさらに増え、激化の恐れは避けられそうにない。今、温暖化の脅威に囲まれている地球環境対策は、時間との闘いに対峙している。
 今年(2018)12月には、ポーランドの南西部に位置するカトヴィツェで国連の気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)が開かれる。各国が集い、パリ協定実施のための詳細なルールが決められるほか、各国の温室効果ガス削減目標引き上げの仕組みについても議論される。地球の温暖化がもたらす気候変動との闘いに対しては、世界の「国家」と「非国家」が両輪となってその対策を加速させる必要がある。
画像
                      〈 「パリ協定へ弾みポーランドで開催されるCOP24
画像 地球の温暖化に関して最近、世界の平均気温が産業革命前に比べて2度前後上昇すると温暖化に歯止めがかからなくなり、その上昇幅が4~5度に達する可能性があるとする予測をストックホルム大学などの国際研究チームがまとめた。すなわち、その気温の上昇で地球が“温室化”(「ホットハウス・アース」)に移行するという。また、アメリカの科学アカデミー紀要(機関誌)の論文(2018.9.6掲載)によると、2度前後の気温上昇で北極圏のグリーンランドなどの氷床が解けたり北極海の海氷が融解減少することで気温の上昇が進み、その上昇幅が4度前後になると南米アマゾンの熱帯雨林が枯死して含まれていた二酸化炭素が大量に放出され、さらに温暖化は加速されるとする。そして、気温上昇が5度以上になると東南極の氷床が解け出し、その煽りを受けて海水面が今よりも10~60㍍に上昇する可能性が想定されるという。さらに米科学アカデミー(PNAS)の論文は、海氷減少など自然界の現象が起こり始める気温上昇には「臨界点」があって、それを超えると様々な現象が連鎖して気温の上昇が続くと解説する。同論文はまた、「パリ協定」は産業革命以降の気温上昇を“2度未満”とする実施指標を掲げるが、もしその指標(目標)が達成されたにても地球の温暖化は後戻りできないような段階が迫っていると警告し、その可能性は十分にあるとも指摘している。その上で、先の国立環境研究所地球環境研究センターは、現状の温室効果ガスの排出による気温上昇は2度を超えるようなペースで進んでおり、脱炭素社会への転換を真剣にしかも早急に考える必要があると見る。
画像
                春の高温と夏の少雨で森林火災の発生が異常に多い米国 モンタナ州 2017.9
画像 気候変動との取り組みについては、これまで各国が示してきた温室効果ガス排出量削減目標ではパリ協定が示す実施指標(産業革命以降の気温上昇を2度未満とする)を達成することができないという現実があり、まだまだ越えねばならない諸問題がある。
 この気候変動との闘いの先頭に立っているEU(欧州連合)は、温室効果ガスの排出を2030年までに1990年比で40%以上減らすという目標達成のため、EUの法的枠組み醸成に向けて努力している。ちなみに温室効果ガス排出量を日本は、2030年までに26%(2013年比)削減する方針である。そのEUと日本は、2018年7月に調印された日EU経済連携協定(EPA)と戦略的パートナーシップ協定(SPA)という2つの歴史的な協定において、相互に力を合わせて気候変動に立ち向かう決意を明記している。 勿論、EUと日本は行動の緊急性を十分に理解するとともに、気候変動に関するパリ協定への関与を相互に無条件で確認している。当然の如く、地球規模の問題として気候変動との闘いにおいては、EUの国々だけでなく地方レベルや都市間協力など、あらゆる階層分野での取り組みが必要である。
 日本は、2019年に大阪で開かれる日本開催初となる主要20カ国会議(G20)で初の議長国を務めるが、環境対策での遅れが指摘されている日本の存在感をどこまでアピールできるのか注目の中で、 議長国としての期待に高まりがりが寄せられている。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの主催国としても国際的な脚光を浴びようとしている中で日本にとっては、いずれもこれまでに政府や民間、市民社会が進めてきた環境を巡る技術革新や取り組みを世界に示す格好の機会となるであろう。時間との闘いでもある気候変動の対策には、パリ協定の目標達成がおぼつかない下で、先にも述べた如くまだ乗り越えなければならない問題が堆積する。日本は、こうした国際的な行事や会議の場を捉え地球環境保護に向け培ってきたノウハウを積極果敢に開示し、パリ協定に係わる諸問題の進展を探る動きの先頭に立つ機会としたい。特に、世界の温室効果ガスの約8割に近い量を排出しているのが主要経済国であることに鑑みても、環境対策には進んで行動を起こさなければならない。EUも、地球環境保護対策について国際社会を取りまとめようとする日本を支援する用意があるとしている。
画像
                            日本で初めて開催されるG20」 )
画像 韓国で10月1~6日(2018)にかけ開れた国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の総会で、地球温暖化対策を議論する上での今後の科学的根拠となる“特別報告書”がまとめられ、同8日に公表された。温暖化対策の国際ルールである「パリ協定」は、先に触れた如く産業革命以降の地球の気温上昇を2度未満に抑えることを目標としているが、IPCCは1.5度上昇した場合の影響予測を盛り込んだ特別報告書を初めて作成した。
画像
                               南極で氷床大崩壊の危機が続く                     
 同報告書では、世界の平均気温はすでに産業革命前より約1度上昇しており、これが10年間で0.2度程のペースで上昇するとした場合、現状のままで推移すると早ければ2030年にも1.5度に達すると見ている。僅か0.5度の平均気温上昇の違いでも、環境へ及ぼす影響には大差があり、1.5度への上昇でも熱波や干ばつ、洪水の被害が増え、海面の上昇や動植物生息域が減少するといった影響が増す。上昇の幅が2 度になると、これらの影響は一層深刻となり社会や経済に与える打撃は避けられない。すなわち、気温の上昇は1.5度に抑えるべきだ、それが今回の特別報告書のメッセージでもある。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、195カ国が加盟して地球温暖化に関する諸問題に係わり世界の数千人規模の専門家が科学的知見を以て分析・評価を行っているものであるが、各国はパリ協定に基づき2030年までの温室効果ガスの排出量削減目標を定めているが、たとえ目標全てが達成されたにしても気温の上昇は“2度”を大幅に超えるようなレベルに今はあると分析する。この特別報告書は、科学が地球温暖化へ鳴らす警鐘と言えよう。
画像
                       ホットハウス・アース化への移行が懸念される地球環境
 冒頭でも触れたように、今夏(2018)は世界の各地で猛暑や乾燥、豪雨などの自然災害が頻発した。先のIPCCでは、温暖化がもたらす影響はもうすでに見え始めているとして、社会のあらゆる分野で強固な変革を加速させる必要があると訴える。そのカギを握ることになるのが、全ての関係国にパリ協定の目標達成(実施指針)に向けた新たな共通の枠組みを与えることになる、今年(2018)12月にポーランドで開催される国連の気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)である。先の特別報告書(IPCC)を受け、COP24では更なる温暖化対策に対する各国の枠組みが議論される。
 現状のままで地球温暖化が進むとなれば、今から一昔も経てば2030年には世界の平均気温は産業革命前より1.5度上昇する。国連の気候変動に関する政府間パネルでは、地球環境の保全・保護に向けこれから数年の間に“何を成すか”が、地球の過程の上で最も重要な指標であると暗示する。温暖化対策は待ってくれない時間との闘いであり、地球を愛する私たちに残されている時間はそう多くはない。 (終)

この記事へのコメント

KaNaMoRi-MoRiKaNa
2018年11月29日 13:44
ポーランドでのCOP24の開催は無意味だと思わざるを得ません。

世界の超大国であるアメリカと中国の理解と協力が得られていない以上、ポーランドでのCOP24の開催など時間と金の無駄でしょう。

少なくとも日本は地球環境問題や地球温暖化問題の解決には何一つつながらない無駄な会議への出席は中止すべきでしょう。無意味な自己満足にしかならない。

暖化利権に群がる政治家、環境省の役人、環境問題専門家自称する研究者たちの自己満足な旅行以上のなにものでもない。自己負担ならまだしも、国民の血税公費での派遣など不要。

この記事へのトラックバック