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help リーダーに追加 RSS 定着した新在直通・ミニ新幹線

<<   作成日時 : 2008/06/16 17:00   >>

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羽本線・田沢湖線の在来線を改築(標準軌間化)して東北新幹線へ直通し、東京への直結を図って開業した新在直通の山形・秋田両新幹線(ミニ新幹線)は、山形新幹線が1992(平成4)年7月1日に、秋田新幹線が1997(平成9)年3月22日にそれぞれ開業して以来、今ではすっかり定着した存在となっている。

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 新在直通運転の先駆となった山形新幹線は、東京〜新庄間(421.4q)を〈つばさ〉が最速3時間15分で結ぶ。一方、5年の後を追って開業した秋田新幹線は、東京〜秋田間(662.2q)を〈こまち〉が最速3時間49分で結んでいる。利用者数も、1日平均山形新幹線約9100人前後、同秋田新幹線約6000人前後と、安定輸送を保つ。ただ、山形・秋田両新幹線とも“新幹線”と名乗りながらも、法的には在来線としての位置づけとなっている。当然、運転設備・施設等は、標準軌間(1435o)や高速運転仕様(最高速度130km/h)に対応したものとなっていることを除けば、基本的には在来線としての形態・取扱である。
 使用車両はフル規格の新幹線に比べ小振りで、編成も短い(〈つばさ〉7両・〈こまち〉6両)など扱いは在来線でありながら“新幹線”と称しているのは、首都・東京への速達化をアピールし、在来線につきものの鈍足のイメージ払拭を狙った営業上の施策と捉えることができよう。

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京〜新庄〜秋田方面への到達時間は、在来線当時(新在直通前)に比べ1時間以上もの短縮となっている。この新在直通方式は、在来線の改築により新幹線列車(車両)が乗り入れる方式のため、新たな新幹線の建設に伴う並行在来線のJRからの切り離し問題の派生(第三セクター化等)とは無縁となり、沿線の生活環境へ与える影響等はごく狭い範囲で済む。
 その新在直通が今、今後の課題として懸念視されているのが、2010年度の東北新幹線新青森延伸開業や2016年度に開業する北海道新幹線(新青森〜新函館間)に関連して浮上している、東北新幹線の線路容量(可能運転本数)に関する逼迫問題である。とりわけ、上越新幹線や長野(北陸)新幹線の列車が重複運行されている東北新幹線の大宮〜東京間や、東京駅新幹線ホーム(2面4線)の発着容量などが、列車運行上に制約として存在している。現在の大宮〜東京間は、昼間でも定期列車は毎時10本近く運行されており、これに輸送の繁忙期が重なれば実に4分間隔という高い運転密度となる。
 こうした状況から、定着化している現在の新在直通に係わる運行態形等のブラッシュアップを図るにしても、上記の制約などから抱える課題の多さが懸念材料となっているようだ。

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、JR東日本では新幹線のさらなる高速化(最高速度320km/h)とサービス・信頼性の向上を目指して、次世代新幹線車両の開発が進む。新青森延伸後には最高速度320km/h運転が予定され、東京〜青森間の現行の最速所要時間約4時間10分(含乗換)を約1時間短縮して、東京〜新青森間を最速約3時間5分で結ぶ計画としている。
 そうした中で、新在直通列車の在来線区間における所要時間の短縮は、線形等の諸問題(曲線、勾配、踏切、保安設備等)から現状を上回る速度の向上は条件的にも難しいと見られている。そのため、運転時分の短縮(さらなる速達化)には東北新幹線内における速達化の可否が大きなカギを握ることとなる。
 一方、輸送力の面では、フル規格の新幹線車両より一回りサイズが小さい車両である分だけ輸送力が小さいのは当然だが、山形・秋田両新幹線列車は運転密度の高い東北新幹線内では他の列車(東北新幹線列車)との併結運転が基本(運行の高密度化の緩和)となっており、現状の編成両数(山形新幹線7両・秋田新幹線6両)を増やそうにも在来線区間の関連(駅設備など)とも併せて難しいところである。

速公共交通機関の中でも、鉄道と航空との競合・競争はつとに知られているところだが、東北地方の諸都市と東京を結ぶ航空路線が多い中で、新在直通の新幹線も例外ではない。その競合・競争に鉄道が競り勝つためにも、速達化と利便性の確保は不可欠といえる。
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画像 航空は、あまねく郊外にある空港までのアクセスに難があると同時に、冬季ともなれば東北地方故の降雪による視界不良や積雪の影響で欠航も少なくない。新在直通の新幹線であれば、こうした影響による運休は少なく、しかも毎時運転という高い利便性もあることから十分に航空に対抗し得るインパクトを持っており、輸送の安定性が高い。
 かつて、山形〜羽田間には数多くの便が設定されてきた航空であったが、山形新幹線が開業した年(1992年)を挟んで1987(昭和62)年度と2005年度の東京〜山形間における鉄道と航空との輸送人員を比較してみると、JRの57%増に対して航空は84%減となって、2005年度のシェアでは実にJR98:航空2にまで開いた。ただ、山形新幹線から外れた日本海側に面した庄内空港にあっては、そのシェアはJR51:航空49と拮抗する。ちなみに庄内〜羽田間は約1時間と速い航空だが、アクセス面から都市間を捉えれば、利便性はさて置いても、JRとの時間差はほとんどない。しかし、JRの場合は、山形や上越の両親幹線を利用するにしても庄内方面へは乗換が伴い、時間以上に乗換の面倒や不便さが大きく立ちはだかっているのだ。これに対して、山形新幹線を陸羽西線経由で庄内方面へ延伸の考えもあるようだが、実現の可能性は今のところ不透明だ。
画像 一方の東京〜秋田間では、航空とのシェア争いは熾烈を極める。航空利用の一般化で、1987年のJR65:航空30:夜行バス5のシェアも次第に航空利用の比率が高まりを見せ、秋田新幹線開業前の1995(平成7)年では鉄道・航空両者はほぼ互角であった。
 ところが、新在直通の開業が秋田方面への観光人気などを煽ったことで同方面へ訪れる人が増え、その秋田人気が航空の利用にもつながったのは皮肉な結果であった。現在では、JR55:航空40:夜行バス5という、利用の棲み分けを示しているようだ。

在直通の新幹線は、ミニ新幹線方式なるが故の前述した制約の下で、地方都市〜首都圏間直通という最大の利点を活用した輸送体系を構築して走り続ける。そして、2008年の暮れから翌年の夏にかけて、開業以来使用されてきた山形新幹線〈つばさ〉の400系車両全ての置き換えが予定されており、これからも東北方面への利用者の確かな足としてその存在感をアピールしていくことであろう。
 そして、山形・秋田両新幹線の新在直通運転は、高速輸送方式の一つの形を定着させたといえよう。 (終)

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