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help リーダーに追加 RSS 乗物に例えた時間の流れ

<<   作成日時 : 2008/05/29 18:01   >>

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 6月10日は、時間の大切さをかみしめる「時の記念日」。日本人に欧米人並みに時間尊重の意識を持ってもらうことを目的に、1920(大正9)年に制定された。
画像 「時間はスイスでつくられ、フランスで使われる。イタリアでは欲しがられ、アメリカでは金になる。そしてドイツには存在しない」…ジョン・ヒューストン監督の映画「悪魔をやっつけろ」(1954年米作品)の中で語られたセリフだ。これに倣えば、今の日本での“時間”は、さしずめどう表現されるのだろうか。

 今以て日本人の生活時間は、ここ10年来変わらない、相変わらずのスピードで時間は流れているようだ。この時間の流れを変え続けている顕著な例が、距離を時間的感覚に変えている公共交通機関、とりわけ航空と鉄道の止まらない速達化(社会的要請)への挑戦だ。
 世界の高速鉄道の分野で一歩先を行くフランスでは、昨年(2007年)4月に鉄軌道スピード世界一の574.8km/hを達成(TGV)している。また、日本ではJR東海が、2025年度開業を目標としてリニア新幹線(中央新幹線)東京〜中京圏間を、現在の最短1時間35分を半分の48分(最高速度500km/h)で結ぶ計画を発表している。
 “時間=スピード”が特質とされる近代社会は、日本では昭和30年代以降の高度経済成長期、特に東京オリンピック(1964(昭和39)年)以降に醸成されたのではないだろうか。そして、半世紀にわたって今なお求め続けられているのが、時間(スピード)主体の生活の変化といえまいか。

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 そんな時間主体の、時間に追われるが如くの日常生活の時間の流れに関して、時の記念日にちなんである時計メーカーが行った古いアンケート資料(「時間のイメージ2001」と題した8年前のアンケート)が引き出しの底から出てきたので、これを時の記念日にちなんで参考に紹介してみる。
 「理想の時間の流れを乗物に例えたらどんな乗物か」との問では、“遅い電車(鈍行)”との回答が約3割でトップを占めた。また、マイペースで移動できるクルマや、流れる時間をゆっくり楽しめる船の人気も高かった。一方、「現在の時間の流れを乗物に例えたらどんな乗物か」との問には、“新幹線”“ジェットコースター”などの速い乗物が約7割を占め、現実に直面している生活実態の厳しさをにじみ出させていた。
 「日常生活で増やしたい時間」との設問に対しては、最も多かった回答は“趣味”の35%、これに“睡眠”“休憩”が21%と続いた。また、「日常生活で減らしたい時間」との設問を男女別で見ると、男性のトップは“仕事”(45%)、女性は“家事”“育児”(56%)であった。これは、男性は順当としても、女性の社会進出が顕著な当時といえども、家庭における女性の役割分担がまだ高いことをいみじくも浮かび上がらせた回答であった。
 これらのアンケートを今に置き直してみても、おそらくその回答の内容は大同小異ではないだろうか。古いアンケート資料を見ながら、今以て多くの人がのんびりした生活の進行を夢見ながら果たせないでいるのではと、改めて思えてくる。

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 先の映画のセリフではないが、所変われば品変わる、時間の存在もさまざまだ。が、日本では毎日を“鈍行”の如くに過ごしたくとも、現実には“新幹線”並のスピードに追いまくられる生活のレールを走らざるを得ず、おそらくこれからも“のんびり鈍行”は理想、現実は“新幹線”という生活のリズムが続くことだろう。
 時間の流れを乗物に例えた「時の記念日」、流れる時間をゆっくりと過ごしたい…果たせないでいる生活環境の現状を再認識する、そんな6月10日に今年はなりそうだ。 −2008.5−

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